東京・赤坂の路上で2019年、貴金属買い取り業者が複数の男らに襲われ現金を強奪された事件で、直後に実行犯らを金属バットなどで襲撃し、現金約8000万円と貴金属などを横取りしたなどとして、強盗致傷と公務執行妨害などの罪に問われた井上陵被告(29)の裁判員裁判で、東京地裁は29日、「共犯者の供述は信用できない」として強盗致傷罪は無罪とし、警察官への公務執行妨害罪で懲役10月の判決を言い渡した。求刑は懲役15年だった。
検察側は実刑が確定した共犯者らの証言に基づき、横取りの指示役で共謀が認められるとして起訴した。浅香竜太裁判長は、共犯者が一審では別の人物に指示されたと供述したのに、二審で被告の指示だと変遷させたとし「虚偽供述の危険がある」と判断した。
東京地検の森本宏次席検事は「判決内容を十分検討して適切に対処したい」とコメントした。
判決によると、被告は埼玉県戸田市の店舗駐車場で、警察官に職務質問を受けた際、応じず乗っていた車を動かし職務を妨害した。(共同)
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