大阪府富田林市で祖母の自宅に放置された女児(2)が熱中症で死亡した事件で、祖母とともに保護責任者遺棄容疑で逮捕された同居の男が、「エアコンをつけ、窓を開けて出かけた」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。女児は脱水症状を起こしており、府警が経緯を調べている。

 逮捕されたのは、女児の祖母(46)と自営業の男(50)の両容疑者。2人は6月29日午前5時頃から午後4時頃までの間、女児を自宅に置き去りにした疑い。府警は1日、2人を同容疑で送検した。

 女児は8畳の部屋で、乳幼児を囲う柵「ベビーサークル」(縦91センチ、横124センチ、高さ88センチ)内に閉じ込められていた。部屋の冷房は28度に設定されており、男は「冷房と扇風機を稼働させて、窓を開けていた」と述べているという。

 柵には女児が抜け出さないよう板が四方に張られ、風通しが悪くなった可能性がある。府警は、6月29日昼頃には女児が死亡したとみている。

 また、祖母が「女児の育児で精神的にしんどかった」と供述していることもわかった。

 女児は祖母の三男(20)の子。容疑者2人は女児のほかに、祖母の四男(15)と五男(5)の計5人で暮らしていた。五男は両容疑者の実子で、事件当日、容疑者2人と五男は大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に出かけていたとされる。

 両容疑者はたびたび女児を自宅に残して外出していたといい、府警はネグレクト(育児放棄)が常態化していた疑いがあるとみている。

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