元外交官トップが心がける、偉い人と向き合うコツ

外交官のトップである外務事務次官を務め、さらには駐米大使としても活躍した
敏腕外交官・佐々江賢一郎氏による連載「元外交官トップ・佐々江賢一郎の超交渉術」。
第3回は、言語も文化も歴史も異なる各国の要人と相対し、
数多くの困難な交渉をまとめてきた佐々江氏が説く「自分らしくいることの大切さ」について。

自分を大きく見せようとしても化けの皮は剥がれる

誰かと初めて会う。信用をもらいたいと思う。信頼されたいと思う。
もちろん外交の場でも、こういうケースはあるわけですが、私が心がけていたのは、あまり頑張らないことでした。
自然体で行く。自分の地でいく。

大事なことは、自分らしく行くことだと思っていました。
あまり自分のまわりにガードを張り巡らさない。気楽な気持ちで向かうのです。

なんとか自分を大きく見せたほうがいいのではないか、と考える人もいますが、
相手が本物の人であればあるほど、大きく見せようとしたところで化けの皮は剥がれてしまいます。
実物大でいたほうがいいのです。

知ったかぶりをしないことも重要です。わからないことは無邪気に聞いたほうがいい。
「それはどういうこと?」と聞くと、相手は一生懸命、話してくれたりすることもあります。

むしろ必要であれば、相手が自分を馬鹿にしない範囲で弱さを出す、自分の弱みを出す、ということも大切です。
それが逆に信用につながったりもする。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d8c3ffe2f96492970f13459148e27d7a492c1c60