江戸時代、東北地方の米沢近郊では、道の脇に立てた棒や杭(くい)に野菜やわらじをつるして売る「棒杭の商い」があった。店主がいなくても、誰もがきちんと代金を払い、
商品を盗む者はいなかったと伝えられている。このエピソードは米沢藩の名君、上杉鷹山(ようざん)の財政再建が人々の心までよみがえらせた証しとして、童門冬二の『
小説 上杉鷹山』に描かれた。