というと、松山氏はこう言ったという。
「だって俺、結婚できないもん」
涙を流すA子さんに、松山氏はこう続けた。
「泣くなよぉ。(人工妊娠中絶のための)同意書を書くから、持ってきて。(中絶にかかる)お金を渡すので、領収書とお釣りも持ってきて」
そして、2012年10月24日、医師や看護師に身元が露見することを恐れる松山氏は、偽名と偽の住所で同意書に署名捺印したという。
当事者であるA子さんのもとを訪ねると、当初は「もう過ぎたことなので……」と取材を拒んだが、経緯を一つずつ質問していくうちに、こう答えた。