キーンは、国籍取得を決意した当時の心境を「私の思いは、今まで受けてきた親切に応える謝意から生じたもので、生涯の最後を自分に最も愛着の深い人々と共に過ごしたいという望みなのである」「外国人が日本から逃げていくニュースにも落胆していた私は、今こそ、最も率直なかたちで日本のみなさんと一緒になる、その思いを表明しなければと思ったのである」と綴っている[55]。
一方、キーンと交流があったタフツ大学のチャールズ・イノウエは「キーンさんはずっと日本のよいところを語ってきたわけなんですけれども、いまになって、もう少し、悪いところも言わなければならないけれど、アメリカ人として言うのはつらくて、できないと。愛する日本を外国人として批判するのではなく、日本人として苦言を呈したかったんです」としているが、国籍取得後の2014年にイノウエに宛てたメールでキーンは「私が懸念しているのは、日本人は私がいかに日本を愛しているかを語ったときしか、耳を傾けてくれないことだ」と述べている

https://www.tokyo-np.co.jp/article/155862