10歳がレイプで妊娠、中絶禁止で他州へ…「でっちあげ」でなかった
ニューヨーク=藤原学思2022年7月14日 9時39分

 米中西部オハイオ州に暮らす10歳の女児が、レイプされた末に妊娠した。だが、同州ではほぼ全ての中絶が禁じられており、隣の州まで中絶措置を受けにいかなければならなかった――。

 中絶をめぐって世論が二分する米国で、そんな事件が起きた。当初は「でっちあげ」との指摘もあったが、13日になって容疑者の男の逮捕が報じられた。米国社会は衝撃をもって受け止めている。

 事件が明るみに出たのは今月1日。インディアナ州の地元紙インディアナポリス・スターが、産婦人科医の話として「妊娠して6週と3日目の10歳の女児が、中絶措置を受けるためにオハイオからインディアナに来た」と伝えた。

 米国では6月24日、連邦最高裁が「中絶は合衆国憲法上の権利」と認めた半世紀前の判例を覆したばかりだ。オハイオではその数時間後、妊娠6週以降の中絶を違法とする州法が効力をもつようになった。

 地元紙によると、インディアナの産婦人科医は連邦最高裁判決の3日後、オハイオの児童虐待担当医から、女児の妊娠について相談を受けたという。インディアナではまだ中絶が違法ではなかったため、産婦人科医は急いで女児を呼び寄せたという。

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https://www.asahi.com/articles/ASQ7G2QM0Q7GUHBI002.html