安倍氏による教団トップへの称賛動画、山上容疑者が見て「怒りの置き換え」生じた可能性

>母親の入信で家庭が崩壊し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に積年の恨みを抱いていたという山上徹也容疑者(41)。なぜ、同連合に向かっていた矛先が安倍晋三・元首相(67)に転じたのか。

>安倍氏を巡っては、首相在任中から同連合とのつながりを指摘する声が一部にあった。そうした中、安倍氏が公の場で韓氏を称賛する動画が流れたことで、SNS上では安倍氏と同連合が深いつながりがあるかのような根拠不明な投稿が広がった。

>怒りのやり場がなくなった山上容疑者の目に留まったのが、安倍氏の動画だった。

>同連合の田中富広会長も、11日に開いた記者会見で「(安倍氏が同連合の)会員になったことも顧問になったこともない」と説明していた。

動画を見ただけで、安倍氏を殺害するというのは、動機としてはあまりにも不可解で、論理に飛躍がある。

精神科医の片田珠美氏は「動画やSNS上の根拠不明な情報を見て、『怒りの置き換え』が生じたのではないか」と指摘する。

「怒りの置き換え」とは、元々怒りを向けていた相手にぶつけられず、他の人物に矛先を変えることを指す。

片田氏は「容疑者は恨みの感情に長年とらわれ、相手を置き換えてでも復讐を果たさないと精神の安定が保てない状態に陥っていたのだろう」と推測する。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220715-OYT1T50311/