将棋史上初か、入玉宣言法で決着 双方の玉が敵陣に…緊張の宣言
2022/7/18 23:29(最終更新 7/18 23:30)
将棋の女流公式戦で18日、「入玉宣言法」で勝負が決する対局があった。入玉宣言法は2013年10月から導入されたルールで、双方の玉が敵陣に入って勝負がつかない状況になった時に、「持将棋」のように双方が同意しなくても、敵陣に入った駒の数などの条件を満たせば一方の「宣言」で勝敗が決まる。男女の公式戦で適用されたのは史上初とみられる。
間違えると宣言した側の負け
「入玉宣言法」で決着がついたのは、この日指されたマイナビ女子オープン予選の野原未蘭女流初段(18)―竹部さゆり女流四段(44)戦で、野原女流初段が勝利を収めた。
午後1時に始まった対局は、竹部女流四段の玉が相手の攻めをかいくぐって120手目に先に敵陣に到達。続いて野原女流初段の玉も、3枚持っていた大駒を1枚失ったものの169手目に入玉を果たし、ともに入玉する「相入玉」になった。
入玉宣言法は、宣言する側は▽玉が敵陣に入っていて王手がかかっていない▽敵陣に入った駒が玉以外に10枚以上▽駒の点数(飛・角5点、その他1点)が持ち駒を含めて24点以上――を満たす必要があり、点数が31点以上なら宣言側の勝ち、24~30点なら持将棋(引き分け)となる。
通常は、相入玉で互いの玉を詰ます見込みがなくなった時、双方の合意で持将棋になるか、規定の24点に足りない側が投了することが多い。だが、合意が成立せず、点数の足りない側が負けを認めない場合、手順が延々と続く問題点があった。入玉宣言法は、その解決法として導入されたが、条件を一つでも満たしていないと宣言した側が負けになるという厳しいルールのため、駒の数え間違えや点数の計算ミスで負けになることを恐れ、宣言に踏み切る棋士がいなかった。
※以下ソース※
https://mainichi.jp/articles/20220718/k00/00m/040/271000c