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日系企業団体、中国政府に「平等な入札」要望へ…複合機の「国産化」強制をけん制

在中国の日系企業で作る経済団体「中国日本商会」が今月末、中国政府に提出する要求事項の内容がわかった。中央政府・各省の入札から日本企業を不当に排除しないよう、早期の法改正と、外国企業の意見を取り入れることを求めた。中国政府は、全面的な国産化を満たさない複合機を事実上排除する新しい規格を検討しており、強くけん制するものだ。

 日本商会が問題視しているのは、中央・地方政府や公的企業が入札を行う際のルールを定めた「政府調達法」。入札への参加資格として「(中国)本国の貨物、工事、サービスに限定する」などの内容があり、日本企業の入札参加は大きく制限されている。要望では「早期に改訂し、輸入品と国産品が平等に参加できる環境が作られるよう要望する」としている。

 今月上旬、中国政府が、外国オフィス機器各社に対し、設計、開発から製造まで全て中国内で行うよう事実上強制する新規格を検討していることが明らかになった。今後、意見公募の手続きが取られる見通しだが、要望ではこの新規格などを念頭に、「(新規格の)制定プロセスでは外資系企業を含む関係者の意見を取り入れる」ことも念押しした。

 中国の規格には、主に「強制性」「推奨性」「指導性」の3分類ある。この新規格は、ガイドライン(指針)にとどまる「推奨性」に当たる。だが、日本商会は要望の中で「推奨性でも強制化の懸念がある」と危機感を示した。

 中国日本商会は毎年、在中国の日系企業約8500社から意見を募り、白書としてまとめている。入札の問題や技術移転に関しては、在中国の欧州企業で作る「中国EU商会」や米国系の「中国米国商会」も同様の懸念を示している。

 複合機の新規格は欧米企業にも影響が予想され、日米欧の産業界が足並みをそろえて対応する可能性がある。