https://www.cnn.co.jp/tech/35027058.html

香港(CNN) 米大手インフラ企業に勤務するプログラマーが、自分の仕事を中国の企業に肩代わりさせ、自分は毎日動画や交流サイトを見て過ごしていたことが分かり、解雇された。米通信大手ベライゾンがケーススタディー報告で明らかにした。

それによると、この大手インフラ企業のコンピューターシステムが中国からアクセスされていることが2012年に判明。セキュリティー担当者が調べたところ、米国内のオフィスに勤務する40代半ばのソフトウエア開発者に行き着いた。

この開発者、通称「ボブ」は、同社勤務も長く、おとなしく目立たない人物。最初は何者かがボブの名を無断で使って中国から不正アクセスしたとみられていた。

ところがボブが米フェデックスの国際貨物便を使って、アカウント認証に使われるキーホルダー状の装置を中国に発送していたことが判明した。

ボブは中国北東部遼寧省の瀋陽にあるプログラミング会社に、自分の仕事を請け負わせていた。

フェデックスで送った装置を使い、業務を発注した相手に自分の名前で中国からログインさせていたという。中国の担当者は、ボブの米国での勤務時間に合わせて夜間に働き、ボブの数十万ドルの給料のうちの5分の1を受け取る仕組みだった。
ボブは社内で優秀なプログラマーとして勤務評定も高く、「最優秀開発者」に選ばれたこともあった。

しかし実態は、毎日9時から5時の勤務中、猫の動画を見たり、オークションサイトのイーベイや交流サイトのフェイスブックなどを渡り歩いたりして、5時きっかりに退社するのが日課だったという。