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ダズル迷彩(ダズルめいさい、英語: dazzle camouflage, razzle dazzle, dazzle painting)は、艦船の船体外装に全面的・全体的に施される、塗装による迷彩の一種。
特に第一次世界大戦中に多くみられた。
第二次世界大戦以降では数こそ大きく減ったが、存在している。
イギリス人画家ノーマン・ウィルキンソン(英語版)の発案によるもので、対照色で塗装された複雑な幾何学模様で構成されていた。
日本語には英語 "dazzle" の意訳を基にした和製漢語「幻惑迷彩(げんわく めいさい)」もある[1]。

原理
迷彩とは本来、対象物を周囲に溶け込ませ目立たなくさせるためのものであり、その定義からすればこのダズル迷彩は逆に注意をひきつけるため、有効とは思えない迷彩である。
しかしこの迷彩は、常に変化するあらゆる天候において艦船を完全に目立たなくすることはできないという考えから編み出された。

ダズル迷彩は、艦船の艦種、規模、速度、進行方向などの把握、光学測距儀(レンジファインダー)による測距などを、迷彩がない場合より難しくする(言い換えると船を目立たなくさせる)のではなく、敵の射撃管制を混乱させることを意図している[2]。
たとえば、船首と船尾との識別が困難であるだけでなく、見る側に近づいて来るのか逆に遠ざかっているのかもわかりにくい[3]。

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