https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220721/k10013729201000.html

日本と台湾の同性カップルの婚姻届受理命じる 台湾の裁判所

台湾の裁判所は21日、日本と台湾の同性カップルの婚姻届を受理するよう地元の自治体に命じる判決を言い渡しました。裁判は、日本の法律が同性婚を認めていないことが争点となっていたもので、性的マイノリティーを支援する専門家は、今回の台湾側の判断によって、日本での同性婚をめぐる議論が活発化することに期待を示しています。

訴えを起こしていたのは、台湾南部に住む男性どうしのカップル、有吉英三郎さん(42)と盧盈任さん(34)です。

2人は去年、同性婚を法制化している台湾で婚姻届を提出しましたが、自治体は、台湾での国際結婚は、それぞれの出身地の法律を満たす必要があるとして、日本の法律を理由に受理しませんでした。

これに対して、有吉さんたちは「同性婚を認めていない日本の法律は、台湾の公序良俗に反するので適用すべきでない」などと訴えていました。

台北にある裁判所は21日、自治体に対して2人の結婚を認め婚姻届を受理するよう命じる判決を言い渡しました。

有吉さんは「自分の人生によって、同性愛者も異性愛者も変わらないことを証明することができた」と喜びを表しました。

台湾で日本人の同性婚を認めた判決が出るのは初めてです。

性的マイノリティーの支援に取り組む明治大学の鈴木賢教授は「日本の法律が2人を苦しめてきたが、台湾の裁判所が救ってくれた。今、ボールは日本に投げ返された」と話し、今回の判断によって日本での議論が活発化することに期待を示しています。