国立代々木競技場の石垣には「謎の建物」が埋まっている!?
https://ascii.jp/elem/000/004/098/4098340/

 新築だけが建築ではない。改修にも最新鋭の技術がフル活用されている。

 とりわけ地震大国・日本の名建築には、耐震基準の見直しに伴う耐震改修が欠かせない。迎賓館赤坂離宮、国立西洋美術館、第一生命保険本館など、数多の名建築の改修を手がけてきたのが清水建設。中でも代表的なのは国立代々木競技場だ。

 建設・総合意匠は丹下健三。1964年、東京オリンピックのために作られた。清水建設が施工したのがプールをおさめる第一体育館だ。全長約280メートルのメインケーブル2本が渡され、そこに屋根が吊り下げられる「吊り屋根方式」を採用。鋼板で作られた屋根は船底のように1つとして同じ角度がない曲線形状で、当時の吊り構造技術ではなしえなかった挑戦的な設計になっていた。

 ふたたび訪れた東京オリ・パラの開催を目前に控えた2019年、代々木競技場の改修にあたったのが毛利元康氏だ。しかし代々木競技場は仮設を前提に作られていた施設。その後50年以上も残ることは想定されておらず、改修は困難の連続だったという。清水建設の取材を通じてたてものとまちのイノベーションを追ってきたアスキー総合研究所の遠藤諭が、毛利氏にその苦労を聞いた。