ウクライナ資金繰り支援に全力 財政破綻阻止へ―G7

2022年05月21日07時17分

 【ボン(ドイツ)時事】先進7カ国(G7)は20日にドイツ西部ボン近郊で閉幕した財務相・中央銀行総裁会議で、ロシアの侵攻を受けて資金繰りに窮するウクライナへの支援に、今年198億ドル(約2兆5000億円)を拠出することで合意した。同国が財政破綻に陥り、基本的行政サービスも維持できなくなる事態を回避するため、各国が資金を捻出する。
 ただ、ウクライナの財政収支は、不足額が3カ月間で150億ユーロ(約2兆円)に上ると見込まれている。戦闘が長期化すれば、一段の支援が必要になる可能性もある。
 会議では、米国が75億ドルの拠出を表明。日本も世界銀行との協調融資を3億ドル増やし6億ドルにするほか、財政規律重視のドイツも10億ユーロを供与する方針を示した。リントナー独財務相は、財政問題が「ウクライナの国防に影響を与えないようにする」と強調した。
 ウクライナは戦費が増大する一方、5〜6月の税収が想定の45〜50%に落ち込むとの見通しを示しており、足元の資金需要の手当てが喫緊の課題となっている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022052000822&g=int