大津市で延暦寺などの仏像の修復に焦点を当てた企画展

仏像の修復に焦点を当てて、現代に残されている仏像の姿やその歴史を紹介する企画展が大津市で開かれています。

会場の大津市歴史博物館には、大津市内の寺や神社に伝わる仏像など40件が展示されています。
比叡山延暦寺の十二神将など14体の仏像は、
およそ450年前の織田信長による焼き打ちの後に作られたと考えられていましたが、
現在行われている修復の過程で、仏像の内部に墨で記された記録が見つかりました。
その結果、焼き打ちの200年以上前の鎌倉時代に作られ、焼き打ちを免れた仏像であることがわかったということです。
このうち、会場には、修復を終えた2体と修復中の1体が展示されていますが、修復中の仏像の公開は珍しく、
仏像の内側に僧侶の名前などが記されているのが確認できます。
また、日吉大社の「獅子・狛犬」は、信長の焼き打ちで焼失した後、安土桃山時代にあらたに作られたものです。
たてがみの表現などは鎌倉時代の作風で、元の像を再現しようとした跡が見られるということです。
京都市から訪れた20代の女性は「仏像の修復の過程にスポットを当てた展示は珍しいので、とても興味深かった」と話していました。
この企画展「仏像をなおす」は大津市歴史博物館で9月4日まで開かれています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220730/2000064389.html