総裁選コロナ公約、岸田氏「医療難民ゼロ」 数十兆円の経済対策や危機管理庁の創設も【動画】
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自民党の岸田文雄前政調会長(広島1区)は2日、国会内で記者会見し、総裁選の公約となる新型コロナウイルス対策を発表した。国や地方の権限をフル活用して医師・看護師や病床を確保する「医療難民ゼロ」や数十兆円規模の新たな経済対策を「岸田4本柱」として体系化。公衆衛生上の危機発生時に強い指揮権限を有する「健康危機管理庁」(仮称)を創設する考えを示した。

 【岸田氏・新型コロナ対策要旨】年明けに通常に近い社会経済活動目標

 岸田氏は「常に最悪の事態を想定した危機管理を行う」と述べ、年明けには通常に近い社会経済活動を取り戻すのが目標だとした。岸田4本柱は(1)医療難民ゼロ(2)ステイホーム可能な経済対策(3)電子的ワクチン接種証明の活用、PCR検査の無料化・拡充(4)感染症に関する有事対応の抜本的強化。

 医療に関しては国公立病院をコロナ対策の重点病院とし、いわゆる「野戦病院」も開設。自宅療養者の診療を進めるため地元医師会や開業医との連携を深め、飲み薬の年内普及にも改めて意欲を見せた。

 外出抑制の徹底などの政府方針には国民の「納得感」が不可欠だと強調。数十兆円規模の経済対策を打つとした。事業者向けの持続化、家賃支援の両給付金を再給付するほか、非正規労働者らにも給付金を出すという。ワクチン接種歴を証明する電子的な「ワクチンパスポート」の普及や、広島県が独自実施した無料任意のPCR検査の全国展開も図る。

 感染症に関する危機対応で司令塔となる健康危機管理庁創設を巡っては、責任の所在を明確化するため担当閣僚を置く。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターに分散している機能を統合する「健康危機管理機構」(仮称)の新設も提唱した。

 会見では、政治に対する意見をインターネットで募る「岸田ボックス」を設けると発表した。外交・安全保障などの公約については後日、記者会見する予定だ。(樋口浩二、境信重)