核軍縮を促し、核拡散を防ぐ国際的な枠組みである核不拡散条約(NPT)再検討会議が8月1日、米ニューヨークで開幕した。岸田文雄首相は日本の首相として初めて出席し、同日午前(日本時間2日未明)に演説。

首相は英語で演説し、ロシアによるウクライナ侵攻で核による威嚇が行われたことに触れ、「核兵器のない世界への道のりは一層厳しくなっている」との認識を示した。被爆地・広島選出の首相として、NPTは「軍縮・核不拡散体制の礎石」とし、日本が「NPTの守護者としてしっかり守り抜く」と訴えた。

首相は、核兵器のない世界という「理想」と、厳しい安全保障環境という「現実」を結びつける道筋として「ヒロシマ・アクション・プラン」を打ち出した。

その中で、米国などが批准せず発効されていない「包括的核実験禁止条約(CTBT)」について、9月の国連総会に合わせて日豪独などの首脳会合を主催すると表明。核廃絶に向けた未来のリーダーを日本に招くため、国連に1千万ドルを拠出して「ユース非核リーダー基金」を設けることも明らかにした。

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