終わったはずの東京五輪がまた盛り上がってまいりました!

 こちらです。

『「五輪マネー」捜査のメス』(日経新聞7月31日)

《東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事(78)と大会スポンサーのAOKIホールディングス(HD)の資金授受を巡り、東京地検特捜部の捜査が本格化している。》

 高橋元理事は電通OBで「スポーツビジネスの第一人者」「電通のプレゼンスを高めた大物」という。「スポーツ分野で高橋さんの意見は絶対。退社後も古巣の電通と強いつながりを保っていた」という電通関係者のコメントも。

 高橋氏はすでに判明している約4500万円のコンサルタント料とは別に、AOKI側から約2億3000万円を受領した疑いがあるとの報道も出てきた。

 実はこの件は新聞読み比べネタとしても興味深いのです。まず読売新聞が「スクープ」を次々に放った。

〈『五輪組織委元理事 4500万受領か 東京大会スポンサーAOKIから 東京地検捜査』(7月20日)

『「五輪で力借りたい」AOKI社内メール 東京地検入手』(7月21日)

『AOKI商品 審査せかす 元理事、担当者に 販売承認』(7月22日)〉

 これらの「スクープ」にギョッとする一方で、私は第一報の日付に感心してしまった。組織委員会は6月末で解散、参院選がおこなわれた10日後の「スクープ」なのである。各方面が一息ついた絶妙なタイミングに思えた。
新聞各紙の報道をチェックしてみた

 AOKIは東京五輪のスポンサーであるが、それより上位のスポンサーが「新聞」であることも注視したい。五輪の4種類のスポンサーのうち、3番目にランクされる「オフィシャルパートナー」が朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞。4番目の「オフィシャルサポーター」が産経新聞、北海道新聞だった。←AOKIはここ。

 自分も五輪の太いスポンサーだった新聞はちゃんと追及できるのか? すると朝日新聞の社説がこの件を扱っていないことに気づいた。

〈 読売『巨額マネー巡る不正の解明を』(7月27日)

 産経『五輪取り巻く悪弊を断て』(7月27日)

 日経『五輪巡る疑惑の徹底解明を』(7月28日)

 毎日『「五輪とカネ」徹底解明を』(7月28日)

 東京『東京五輪汚職 利権の構造を解明せよ』(7月29日)〉

 他紙は社説で取り上げたのに朝日社説は今もスルーしている(8月1日時点)。これだけの大ネタを第一報から10日以上経っても触れないのは不思議。ふだん社会正義だとか汚職には厳しいのになぜなのか。まさか自分も東京五輪のスポンサーだからこの件は扱いたくない?

 社説どころか、私は新聞社が五輪のスポンサーになって感じたメリット・デメリットを総括した記事が読みたいのです。五輪とカネについてどう思っているのかスポンサー視点で書いてほしいのである。マスコミが振り返らないと「アスリートは商売の盾にされているのでは」という疑念は晴れないままだからだ。それとも、何の総括もなくこのまま札幌冬季五輪も支援するの?

(後略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/f7fa4bea7291aee940b767ba59d48a604a1442fe