安倍晋三元首相は1日、台湾で開かれたシンポジウムに日本からオンライン参加した。緊張が高まる中台関係について、「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と述べ、中国側が軍事的手段を選ばないよう、自制を促す取り組みの必要性を訴えた。

 シンポは台湾の民間シンクタンクが主催し、現地の立法委員(国会議員に相当)や学者らが出席。安倍氏は「新時代の日台関係」と題し基調講演を行った。日台間に外交関係はなく、安倍氏は首相在任中、台湾側との接触を控えていた。

 安倍氏は講演で「日本と台湾がこれから直面する環境は緊張をはらんだものとなる」と指摘。「尖閣諸島や与那国島は、台湾から離れていない。台湾への武力侵攻は日本に対する重大な危険を引き起こす。台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある。この点の認識を(中国の)習近平(シーチンピン)主席は断じて見誤るべきではない」と語った。https://www.asahi.com/articles/ASPD15JM0PD1UHBI01K.html