ペロシ氏訪台 北は反発、韓国は慎重姿勢

ペロシ米下院議長の台湾訪問について、中国を後ろ盾としてきた北朝鮮は、「内政干渉」だとして米国を強く非難し、中国に対する全面支持を表明した。一方、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、ペロシ氏の韓国訪問を歓迎しつつも、訪韓に先立つ訪台については慎重な姿勢を保った。

北朝鮮外務省報道官は3日、ペロシ氏訪台に関する朝鮮中央通信の記者の質問に対し、「台湾問題に関する外部勢力の干渉行為を糾弾、排撃する」とし、「国家主権と領土保全を断固守ろうとする中国政府の正当な立場を全面的に支持する」と述べた。

報道官は「米国の破廉恥な内政干渉と意図的な政治・軍事的挑発こそ地域の平和と安全を害する禍根だ」と批判。「中国の伸長と統一偉業の遂行を阻害しようとする米国の企ては挫折を免れない」と主張した。

一方、韓国大統領府高官は3日、記者会見で「ペロシ氏の訪問を歓迎する」とし、4日に予定される金振杓(キム・ジンピョ)国会議長との会談で「多くの成果があることを願う」と期待を示した。

ただ、ペロシ氏の訪台については「韓国政府は対話と協力を通じた域内の平和と安定が重要だという基調の下、域内の当事国と緊密な意思疎通を維持する」と述べるにとどまった。「域内の安定」を強調し、米中対立の余波が韓国に及ぶことに警戒感を示した。

韓国紙の中央日報は3日付の社説で、中台情勢の不安定化は「朝鮮半島や北東アジア全体の平和と安定にも多大な影響を及ぼす。7回目の核実験準備を終え、核で威嚇する北朝鮮にも誤ったシグナルを与えかねない」と警告。「チキンゲームをしてはならない」と米中台がこれ以上緊張を高めないよう求めた。

https://www.sankei.com/article/20220803-HIIRVSF2TBMVVIS6JRG7W3FRMY/

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