ソフトバンクグループは、デリバティブ(金融派生商品)の一種である「先渡売買契約」と呼ばれる取引を通じたアリババグループの株式売却で最大220億ドル(約2兆9500億円)の現金を調達した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が内容を確認した届出書からの情報を基に伝えた。
FTによると、ソフトバンクグループは今年に入ってから先渡売買契約を通じてアリババ持ち分の約3分の1の売却を実施。同契約は持ち分を保持し続ける可能性を残しながら、現金を直ちに得ることを可能にする。ソフトバンクグループはこれを利用し、保有するアリババ株の半分余りをこれまでに売ったという。
持ち分を取締役会のポスト維持に必要な水準を下回る比率まで下げ、自社の財務諸表にアリババ利益を計上できないようにする可能性もあるという。
今年実施された先渡売買契約によるアリババ株2億1300万株の売却には、みずほやゴールドマン・サックス、UBSなどの銀行が参加。ほとんどのケースで最終的な受け渡しは約2年先に行われる。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-04/RG2BTODWLU6B01