金属原子を絶対零度に冷却、量子コンピューターに使う新技術開発…分子科学研

金属の原子をほぼ絶対零度に冷却し、量子コンピューターの基本素子「量子ビット」として使うための技術を新たに開発したと、分子科学研究所(愛知県岡崎市)の大森賢治教授(量子物理学)らのチームが発表した。大森教授は「先行する超伝導回路などの方式より、容易に大規模化できる」と強調している。論文が9日、科学誌ネイチャー・フォトニクスに掲載される。

 チームは、真空容器に封入したルビジウムという金属の原子2個を、レーザー光の力で絶対零度(零下273・15度)近くまで冷やして静止させた。そこに14ピコ秒(ピコは1兆分の1)だけ光る特殊なレーザー光を当てると、量子計算に不可欠な「量子もつれ」の状態を、極めて短時間で作ることができたという。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220809-OYT1T50027/