安倍元総理大臣が銃撃され死亡した事件から、1か月です。

身近な場所で起きたショッキングな事件を直接、あるいは間接的に目にしたことで、奈良市などが設けた相談窓口などには、不安や体調の異変を訴える声が多く寄せられています。

専門家は、心配であれば医療機関に相談するよう呼びかけています。

先月(7月)8日、安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃撃され死亡した事件が起きたあと、奈良県や奈良市は、心の不調を訴える人を対象に電話などでの相談窓口を設けています。

このうち、奈良市の窓口には、先月15日までに104件の相談があり、「事件に関するテレビ報道を見ただけでしんどい」とか「身近な場所で事件が起きて衝撃を受けている」などといった声が寄せられていました。

また、県の窓口にも、先月29日までにあわせて23件の電話があり、「子どもが事件現場を避けて歩くようになったが大丈夫か」などといった声が寄せられたということです。

奈良市は、保健所での電話相談のほか、今月1日からはオンラインでの相談も受け付けています。

市の担当者は、「何か心に不安を抱え、カウンセリングなど顔を見ながら相談したい場合はオンラインシステムも活用してほしい」と呼びかけています。

奈良市にある心療内科のクリニックでは、事件後、複数の患者から体調の異変や不安を訴える声が寄せられたといいます。このうち、週に1度のペースで通院している50代の男性は、元総理大臣の銃撃事件をニュースサイトで知りました。

何度も通ったことがある身近な場所が事件現場となったことへの衝撃は大きく、「事件の発生後からずっと心がモヤモヤした気持ちです。あまりに身近で起きたことで、誰にいつ銃で狙われるか分からないと思うようになり、人混みなどはなるべく避けるようにしています」と話していました

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220808/2000064777.html