IQの高い人は何が違うのか…天才アインシュタインの脳に凡人の2倍あった"ある細胞"

天才と凡人は何が違うのか。脳科学者の毛内拡さんは「アインシュタインの脳組織が、死後、世界中の研究者に配布された。
研究の結果、脳の一部の領域で、普通のヒトより2倍ほど多い細胞の存在がわかった。
その細胞を増やすことはできないが、活性化する方法はある」という――。

普通のヒトとの脳の違いはグリア細胞にあった
またこれも都市伝説のようなものですが、20世紀最大の知性と呼ばれているアルバート・アインシュタインの脳組織が死後、世界中に配布されました。
さまざまな研究者が違いを見つけようと躍起になりましたが、ニューロンには特段の違いは見つけられませんでした。

しかし、アストロサイトを含むグリア細胞には違いが見つかったというのです。
脳の一部で、普通のヒトと比べて、グリア細胞の数が2倍程度多い領域があったということです。

ある研究では「IQが高い人の神経回路はシンプルだった」ことが確かめられました。

IQが高い人の脳で増えているものの正体は、アストロサイトだったのかもしれません。
それを直接証明することは難しいとは思いますが、興味深い問題ではあります。

数が多いことが良いといっても、生後アストロサイトの数は増やすことはできません。
そのため数を増やすことよりも今あるアストロサイトをしっかりと活性化させることが重要だと考えています。

10分間の微弱な電気刺激で脳細胞が活性化した
他に人工的にグリア細胞を活性化する方法はあるのでしょうか。

経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)と呼ばれる方法は、頭蓋骨の上から非常に弱い電流を10~30分間流す方法です。
刺激中はまったく何も感じないといいますが、刺激後は気分がスッキリしたり、
パフォーマンスが向上したりすることが報告されています。

 私たちが行なった研究では、10分間の脳の微弱な電気刺激によって、脳の電気活動には大きな変化はない一方、
グリア細胞のアストロサイトが活性化されていることを、マウスを使った実験から明らかにしました。
この活性化は、ノルアドレナリンによって引き起こされていました。

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20220810-00060025-president-column