戦況関係のウクライナ地名
・西ウクライナと東ウクライナ
ウクライナの領土は、歴史的にキエフルーシ(ロシア・ウクライナ・ベラルーシの地域を版図にしていたスラブ人の王国)の版図であった地域である西側と、キエフルーシの版図ではなく近世にロシア領になり、その後ウクライナ領に継承された東側・南側に大別される。この二つの地域は歴史、産業、人口分布、ロシア人人口、対ロシア感情の点で大きな差があり、ロシアのウクライナ侵攻の原因の一つになっている。

・キエフ(,Kiev/ウ , Kyiv)
ウクライナの首都。ウクライナの中央部の北寄り、ロシア、ベラルーシ、ウクライナを通るドニエプル川のウクライナ領内の上流部にある。ウクライナの中では現在かなり平穏になっており、ヨーロッパ諸国、米国を中心に各国の政府関係者が訪れている。

・ドンバス(ロ Донбасс, Donbas(s) /ウ Донбас, Donbas(s))
ウクライナ東端部。「ドネツ盆地」の意。ドネツク州+ルガンスク州。
同地では親ロ派が2014年の「マイダン革命」を不当として「ドネツク人民共和国(DPR/ДНР)」と「ルガンスク人民共和国(LPR/ЛНР)」を「建国」し、独立を宣言している(独立宣言はいずれも2014年5月)。ただし国家承認しているのはロシア、シリア、北朝鮮の3国のみで、いずれも2022年に入ってから。国際的にはロシアによるウクライナ領占領・支配の偽装に過ぎないとの見方が強い。
2014年以後、「両国」とウクライナ政府との間では武力衝突、あるいは内戦が続き、今回の侵攻のきっかけとなった。

・ドネツク州(ロ , Donetsk /ウ , Donetsk)
ウクライナ東端部の南側の州。5月28時点では南部をロシアが占領し、北部が前線になっており、ロシア軍が前線をおしあげつつある。州庁都市ドネツクはロシア占領地。

・ルガンスク州(ロ , Lugansk /ウ , Luhansk)
ウクライナ東端部の北側の州。5月28日時点ではほとんどがロシアの占領地になっており、ウクライナ側に残るセベロドネツクとその周辺をロシア軍が奪取しようとしている。州庁都市ルガンスクはロシア占領地。