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トラウマ級の怖さを誇る特撮ホラー3作品 マタンゴ、吸血鬼ゴケミドロ、犬神の悪霊
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「観なければよかった!」

 ちょっとした好奇心からホラー映画を見始めたところ、想像していた以上に恐ろしい内容で、思わずそんなふうに感じたことはありませんか?
ショッキングな映画を子供の頃にうっかり観てしまい、トラウマ体験となっている人もいるのではないでしょうか。

 Jホラーブームを巻き起こした中田秀夫監督の『リング』(1998年)は、呪いのビデオのおぞましさや貞子がテレビから這い出てくるシーンが大変な反響を呼びました。
近年のハリウッドでは、アリ・アスター監督の『ヘレディタリー/継承』(2018年)がホラー映画のアベレージを大幅に上げ、これまで以上に振り切った作品が次々と製作されている状況です。

 今回は東宝、松竹、東映の日本の大手3社が手掛けた、懐かしい特撮ホラー映画を3本紹介します。当時の子供たちを震え上がらせた作品ばかりです。
いま、見直しても非常に味わい深いものがあります。また、まだ観ていない若い世代は新鮮な恐怖に驚くことになるはずです。

怪物たちの甘いささやき『マタンゴ』
 無人島に流された若者たちが飢餓状態に陥り、壮絶な体験をするのは、東宝製作のSFホラー映画『マタンゴ』(1963年)です。
オリジナル版『ゴジラ』(1954年)を大ヒットさせた本多猪四郎監督と円谷英二特技監督との強力タッグ作となっています。

 ヨットでクルージングを楽しんでいた7人の男女が、南洋の孤島に漂着したことから恐怖の物語は幕を開けます。島には食料になるものがほとんどなく、
若者たちは仕方なく「マタンゴ」と呼ばれるこの島だけに自生するキノコを口にするのでした。食べてみると、意外とおいしいことが分かります。

 しかし、このキノコを食べたものは、徐々にキノコ人間に変身していきます。7人いた若者たちは、ひとり、またひとり……と、キノコの生える森へと消えていくことになります。

 ヨットの持ち主である笠井(土屋嘉男)はキノコを食べずに我慢していましたが、笠井の恋人・麻美(水野久美)はキノコの誘惑に負けてしまいます。
東宝の特撮映画シリーズでおなじみの水野久美さんが、キノコを手に「おいしいわぁ」と妖艶にほほえむシーンは名場面として語り継がれています。

 円谷プロ製作の『ウルトラQ』(TBS系)に主演することになる佐原健二さんは、本作では前歯を1本抜くなど熱心に役づくりしています。
また、キノコ人間のひとりを、怪優・天本英世さんが顔の分からない状態で演じています。衝撃的なラストシーンまで、目が離せない恐怖譚となっています。

 キノコ人間が襲ってくる恐ろしさだけでなく、自分もキノコを食べさえすれば飢餓や恐怖から解放されるという「同調圧力」が『マタンゴ』の隠れたテーマとなっている点も見逃せません。

以下ソース