サマーズ氏、潮流変化を示唆-中国が経済規模で米追い抜くとの予測で

・ロシアや日本が米経済を上回るとした過去の外れた予言と類似点も

・対GDP比で巨額の債務残高や高齢化など中国の一連の課題を列挙

サマーズ元米財務長官は中国が経済規模でやがて米国を上回るとの予測を巡り、ロシアや日本が米経済を上回るとした過去の外れた予言と相通じる部分があるとの見解を示した。

  サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「半年ないし1年前の時点では、中国が将来のある時点において実勢為替レートで見た国内総生産(GDP)で米経済を追い抜くというのが自明と受け止められていた」とした上で、「今ではそれほど明確ではない」と述べた。

サマーズ氏は「1960年代のロシア(旧ソ連)や90年代の日本について語られた経済予測を振り返った場合と同様に、2020年時点の中国に関する幾つかの予想に関しても振り返ることになるのではないか」と話した。

  サマーズ氏は中国が抱える次の「さまざまな」課題を列挙した。

・対GDP比での巨額の債務残高

・将来の成長を主導するダイナミクスが何か明確でない点

・一段と広範な民間企業への共産党の関与拡大

・労働年齢人口の縮小や総人口に占める高齢者の割合増加といった人口動態のパターン

  一方、中国経済の現在の減速に関しては、特に商品相場への影響を通じ、物価抑制の面で米国にとって多少の助けに「恐らくなるだろう」と語った。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-19/RGU75TDWX2PT01