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どんなに美味しいラーメンを食べても、あの日を思い出してしまう

確かにラーメンは美味しかった。美味しかったのだけども、どうも心に穴が空いたようだった。それは替え玉でも調味料でも補えなかった。味や量のような物理的なものではなく、きっと心理的なものだろう。
大好きなラーメン屋さん。行列に並ぶ。はじめの1口をすすった。美味しかった。ぜひこの美味しさを伝えたいと思った。でもその美味しさを共有できるあの友人たちはいない。
私はほんの少し寂しい気持ちを抱えてラーメンをすする。
「友達にもこの味、美味しかったと伝えたいな……」
私はかけがえの無い友達とラーメンを食べる楽しさを知ってしまった。

私は今後、どんなに美味しいラーメンを食べたとしても、やはり彼女たちの顔を思い出してほんの少しだけ寂しい思いをするだろう。仲の良い友人と共に食べるラーメンは美味しい。それは自覚しても決して変えられない事実だ。