米国の北朝鮮に関する金融制裁に同調して、9月19日に日本政府も15企業1個人に対して制裁発動を発表した。
その中に「朝鮮リョボン総合会社」の名前があった。
この会社は1997年に統一教会の「平和自動車」と北朝鮮側の会社として資本率70対30で設立された「平和自動車総合会社」の北朝鮮窓口だった。

北朝鮮は、国家の権力構造が「軍」「党」「内閣」によって成り立っている。
その中で、現在「先軍政治」がうたわれているため「軍」が一番力を持っている。
その状況で、「朝鮮リョンボン総合会社」は北朝鮮内部の「第2経済委員会」傘下の会社で、なんと軍需物資を担当していた。

つまり統一教会は、北朝鮮の軍事強化に、信者の献金を当てていた事になる。

さすがに、北朝鮮の「軍」の支配下に、韓国の民間会社がビジネス・パートナーとして存在することは、あまりにも酷い話なので、
統一教会側は2003年に北朝鮮にビジネス・パートーナーの変更を願い出た。
その結果、2003年から「内閣」傘下の「朝鮮民興会社」に変更された。
これは、統一教会側が事の重大さに気付き、隠密裏にこの変更を進めた事による。
しかし、韓国政府の統一部は、この「平和自動車」の北朝鮮がわのパートーナーが「朝鮮リョンボン総合会社」というリストのままにしていた。

しかし1997から2003年までの「軍」傘下にあった事は事実であるし、
コネ社会の北朝鮮にあって、いったん構築された関係が切れることは考えにくい。

幼い理想主義に染まった統一教会の信者達は、自分の献金が、このような北朝鮮の「軍」の為に使われていたとは知らなかったであろうし、
いまもって理解不能だろう。

幹部の強制的献金の前に信者として支配され、その献金が「平和」の為では無く、
ミサイルを平気で外交手段として他国に打ち放す「軍」の為に使われていた事実を重く受け止めるべきだ。

参考資料:朝鮮日報8月4日「記者手帳」、ロイター(東京)9月19日付

https://www.jfir.or.jp/studygroup_article/5972/