特に男性でよく見られる男性型脱毛症の治療薬として有望な物質を特定したとの論文が、アメリカの科学誌・Developmental Cellで発表されました。毛髪の成長に必要な細胞を「休眠モード」から「アクティブモード」へと切り替えさせる物質が判明したことにより、既存の治療薬より有効な薄毛治療ができるようになると期待されています。

人の毛の根元にある毛包には、毛乳頭細胞と呼ばれる細胞の集合体があり、この細胞が毛髪の成長に重要な役割を果たしています。しかし、男性型脱毛症では男性ホルモンの働きにより毛乳頭細胞が機能不全に陥り、毛包が活性化するプロセスが抑制されて徐々に毛が生えなくなってしまいます。

抜けた毛が再び生えて成長するというサイクルが正常に機能するには、休眠していた毛乳頭細胞を活性化させる刺激が必要ですが、一体どんな物質が毛乳頭細胞を活性化させるのかについてはこれまでほとんど分かっていませんでした。

https://gigazine.net/news/20220819-hair-growth-molecule/