ハウステンボスの売却額は900億円程度で調整 香港の投資会社が有力、月内にも交渉まとまるか

旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が売却を検討しているリゾート施設「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)に関し、売却額を900億円程度とする方向で調整していることが20日、関係者への取材で分かった。

香港に拠点を置く投資会社PAGへの売却が有力で、HISは月内にも交渉をまとめるとみられる。

ハウステンボスの株式は、HISが3分の2を保有。残りを九州電力と西部ガス、九電工、JR九州、西日本鉄道の地元5社が持っている。関係者によると、HISから5社に売却条件の説明があった。

PAGは9割以上の株式取得を目指している。HISは5社が持つ株式を買い取った上で、全体の9割以上を売却する方針という。5社も同意する方向だ。HISはハウステンボスの従業員(2021年9月時点で1238人)の雇用維持を売却の前提としている。

売却額は当初、500億~700億円になる見通しだった。だがハウステンボスは新型コロナウイルス禍から業績が回復し、株式上場も目指しているため、より高値での交渉が進められた。

HISは新型コロナ流行による海外旅行客の減少で経営が悪化。ハウステンボス売却で手元資金を確保する。22年4月中間連結決算の純損益は、中間期で過去最悪の269億円の赤字だった。

ハウステンボスの22年3月中間連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が3億9200万円。中間期として3年ぶりの黒字になった。(共同)

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