30代男性、妻と子ども2人と暮らしています。1年ほど前に妻の不倫が発覚。関係の再構築中でしたが、先日別の男性と交際していることを知りました。

妻にやめてほしいと伝えたところ、「離婚して楽になりたい」とのこと。不倫発覚後に監視し始めたことが、妻を追い詰めてしまったようです。

ただ、子どもはまだ小さく、離婚でつらい思いはさせたくないとの思いがあります。
そのため、子どもの成人まで離婚しない一方、監視や干渉もせず、家庭に影響しない範囲で不倫を認めることにしました。

好きに相手に会えるようになった妻は生き生きとしていますが、私は納得しているわけではありません。

結婚して子どもを授かれば、子どもを第一に考え、子どもに恥じないように生きなければいけないと考えていました。
こんな夫婦や家族のイメージは「時代じゃない」のでしょうか。私も家庭に影響しない範囲で不倫をすれば心安らぐのでしょうか。(千葉・G男)

◇山田 昌弘(大学教授)

ご事情理解しました。おつらいですよね。

結婚外の恋愛関係のあり方は、時代とともに変わります。戦前までは、夫の浮気は男の 甲斐かい 性とされ、妻は我慢したという時代もありました。
最近「卒婚」といって子育て後の夫婦が、合意の上で結婚したまま別々に恋人関係を楽しむという考え方も出てきて、実際に実践している人も知っています。

あなたが、妻の浮気を認め我慢することに納得しているなら、そもそも相談しませんよね。片方だけが一方的に我慢する関係は長続きしません。

いずれ、あなたの不満が限界に達して、大きなトラブルが起きることは目に見えています。といって、卒婚するには、まだ若すぎます。

あなたが恋人を作っても結婚を迫られるかもしれませんよ。これは年配者でもあるケースですが……。

ここは、もう一度、離婚するまでは関係を断ってほしいと主張し、無理なら、離婚に向けての話し合いを始めましょう。
これは、お子さんのためでもありますよ。形だけの夫婦である親のもとで育つ方が、子どもにとってつらいと思います。