スマホ依存なく「成績が良い子」を育てる家庭のルール作り、子の逆ギレも想定

子にスマホを持たせて「成績が上がった」親もいる
 この2年以上にわたる新型コロナウイルス感染拡大と、GIGAスクール構想(小・中学生1人1台のタブレットまたはパソコン配布)の進展により、
子どもたちとデジタルデバイスとの関係はますます強くなってきました。

 筆者が主宰しているカフェスタイル勉強会「Mama Cafe」では、全国の母親から多くの相談を受けています。
その中でも特に顕著なのは、小中学生を持つ母親からの、「うちの子、スマートフォンやゲームばかりで勉強しない」
「スマホ、ゲームのやりすぎで成績が下がった」という相談です。

 そこで筆者は、自身のSNSを通じて「スマホ、ゲームばかりやっている子どもは本当に成績が下がるのか?」という調査をしてみました。

 その結果、小学生(55人)中学生(78人)の子がいる計133人の親から回答があり、意外なことがわかりました。

 子どもにスマホを持たせている親のうち、成績が「下がった」と回答したのはわずか16.8%でした。
一方、「成績が上がった」という答えが全体の22.1%もあり、意外な結果となっています。
それ以外は「成績は変わっていない」という答えでした。

 もちろんこの結果が、全国的実態を反映しているとは思いませんが、
「成績が上がった」という親が5人に1人以上いたということは興味深いことです。

 文部科学省の全国学力調査のデータでは、平成20年(2008年)と令和元年(2019年)の子供たちを比較すると、後者の学力が高いことがわかっています。
この間、子どもたちのゲーム、スマホ所持率は上がり、使用時間数も伸びているにもかかわらずです。

 しかし、このようなデータもあります。平日にテレビゲームをする小・中学生は、時間数が伸びれば伸びるほど、国語と算数(数学)の正答率が下がっているということです。

 このようにみると、やはりゲームやスマホをやるから成績が下がると判断しがちです。
しかし筆者は、これまでの子どもたちの指導経験から次のことを感じています。

「ゲームやスマホを規制するだけでは成績は上がらない。なぜなら、空いた時間で勉強するわけではないから」

 昔の遊びである「鬼ごっこやかくれんぼ」が、今では「ゲームやスマホ」に変わっているだけ。
勉強しない子はいつの時代もしないし、勉強する子はいつの時代でもします。
ですから、「ゲームやスマホを適切に使うこと」と「勉強するようになること」は、全く別の次元で考えなければならないのです。

 では、ゲームやスマホを楽しみながらも勉強ができる子たちの実態はどうなっているのでしょうか。

https://diamond.jp/articles/-/307938