環境省は3日、東京電力福島第一原発事故で出た除染土を駐車場や花壇に再利用する実証事業を、年度内に福島県外で初めて行う方針を示した。
国は除染土を2045年までに県外で最終処分する方針で、再利用は処分量を減らすための取り組み。
初めて除染土を大規模に県外に持ち出すことになり、住民の理解がカギとなる。現時点で事業候補地のめどは立っていない。

除染は放射線量を下げるために行われ、線量が高い帰還困難区域以外の除染で出た県内の除染土は約1400万立方メートル(東京ドーム11杯分)。
国は45年までに県外で最終処分する方針を法律に定めているが処分先は決まっておらず、同県大熊町、双葉町の中間貯蔵施設で保管を続けている。

国は最終処分する量を減らすため除染土を再利用する方針で、福島県飯舘村で農地に再利用する実証事業を行っている。
ただ、同県南相馬市や二本松市で検討していた事業は住民の反対で頓挫した。