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【巨人】菅野智之「長かったな」わずか2安打8回無失点で7戦ぶり7勝 3位虎に2差

◆JERAセ・リーグ 巨人6―0中日(23日・東京ドーム)

 巨人がエースの快投で今季ワーストの連敗を6で止めた。先発の菅野智之投手(32)が中日打線を相手に8回2安打無失点、無四死球と完璧な内容で6月2日以来、7試合ぶりとなる7勝目を挙げた。打線も4番・中田翔内野手(33)が初回に先制二塁打、5回にも適時打を放ち、平成生まれ初の1000打点に到達するなど6点を援護。久々に投打がかみ合い3位・阪神に2差の4位に浮上した。

 久しぶりのお立ち台で菅野は喜びをかみしめるように、東京Dの観客を眺めた。8回110球を投げ、2安打無失点、無四球で同カード3試合、20イニングで無失点を継続させ、7勝目をマーク。今季ワーストだった連敗も6で止めた。6月2日のソフトバンク戦以来のお立ち台で大歓声を浴びた背番号18は「ほっとしています」と笑顔で肩の荷を下ろした。

 制球、球威ともに抜群だった。初回、三好に中前安打を許してから、15者連続でアウト。直球はもちろん、ツーシームなど変化球もキレていた。7回には先頭の阿部を相手に150キロを計測。粘られた末の10球目に内角149キロツーシームで二飛に仕留めた。5月12日のDeNA戦(横浜)でもチームの連敗を5で止めた右腕が、5以上の連敗を止めるのは桑田真澄を抜き、球団最多7度目となった。

 波に乗れないチームと同様、エースも苦しんでいた。6試合連続で勝ち星を挙げられず、7月20日には新型コロナ陽性判定を受けて離脱。40度近い高熱にうなされ、復帰後も体のキレを戻すのに苦労した。

 思うような投球ができない日々が続いたが、今季の取り組みがやっと実を結んだ。軸足となる右足の股関節で体重を受け止めることを意識し、体重移動を試行錯誤しながら修正。「軸足を使えるようになってきて、同じ動きの中でボールを同じ場所で離せている。それがだいぶ安定してきていて、結果につながってきている」とうなずく。原監督も「真っすぐでも勝負できてたもんね。悪い時は変化球勝負になるケースがある。そういう意味では良かったと思いますね」と復活を喜んだ。

 探究心はとどまることを知らない。投球について桑田コーチに相談することはもちろん、野手にもアドバイスを求める。「丸とか勇人さんには『こういう場面、こういう配球はどうですかね?』とか、『この選択は間違ってましたかね?』と試合中に聞くこともあるし。それはずっとやっていることだから」。打者からの意見も取り入れることで、引き出しを増やし続けている。

 チームも自身も久々の勝利。「長かったなという思いもありますけど、自分自身もチームも苦しいのは変わらない。チーム一丸となって今日も勝てたのでまた続けていけたらなと思います」。上位追走へエースの快投は欠かせない。