核の先制不使用「安保に十全を期すのは困難」 武井外務副大臣

8/24(水) 9:05

【ニューヨーク=平田雄介】日本の武井俊輔外務副大臣は23日、国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議出席のため訪問中のニューヨークでオンライン記者会見を開き、最終文書案が核保有国に採用を求めた「核の先制不使用」について、日本の安全保障に「十全を期すのは困難」と述べ、否定的な見方を示した。

核の先制不使用は、核保有国が核攻撃に反撃する場合を除いて核兵器を使わないと宣言する政策。再検討会議では中国や複数の非保有国が26日の採択を目指す最終文書への記載を求めている。

ただ、安全保障を米国の拡大抑止(核の傘)に依存する日本にとっては、中国や北朝鮮、ロシアが通常兵器、生物・化学兵器の使用や侵略的な行動を躊躇(ちゅうちょ)しなくなる恐れがある。

武井氏は会見で「一般論として核の先制不使用は、全ての核兵器国が検証可能な形で同時に行わなければ有意義ではない」と指摘した。現時点で「当事国の意図に関して何ら検証する方法のない核の先制不使用に依存して日本の安全保障に十全を期すのは困難なものではないか」と述べた。

最終文書案は、核の先制不使用を例示し、核保有国に対して安保戦略上の核兵器の役割を減らす措置を取るよう求めている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0571bc48bdc0ed49ab231dd28518f5301590c877