レモネードスタンドの11歳の少年 偽札をつかまされる詐欺に遭うも「意外な結末」に

アメリカの夏の風物詩のひとつであるレモネードスタンド。

アメリカでは子どもが近所の通りでレモネードやスナックなどを売って、お小遣いを稼いだり、慈善活動への寄付を募ったりする文化がある。

これについてはさまざまな意見があるが、概ね「子供がビジネスを体験できる、よい手段」だと考えられているようで、子どもたちの「レモネードいかがですか?」という声に反応し、「じゃぁ、一杯もらおうかな」「お菓子は何があるの?」などと、数ドル(数百円)分を購入していく人たちも少なくない。

しかし、なかには悪い大人もいるもので、ワシントン州に住む11歳の少年は、思いがけない詐欺にあってしまった。

ジェレミー・リズヒコフという名の少年は、いつものように冷たい飲み物や綿菓子、スナックなどを用意して、スタンド(屋台)を営業していた。すると、昼下がりにふたりの男性がやってきて、ドリンクのほかにスナックなど、約20ドル(約2600円)分を少年から購入した。

あいにく「100ドル札しかない」というその客のために、少年は持っている現金をかき集めて、約80ドルのお釣りを渡した。

その日の売り上げはとても良かったため少年は満足していたが、無性に受け取った100ドル札のことが気になった。

もう一度よく見てみると、そのお札は「印刷がかすれている」ように見えた。そこで、近くのガソリンスタンドに立ち寄り、店の人に聞いてみた。

「このお札、本物ですかね?」

すると店の人はこう言ったという。「いいや、これは偽物だよ」と。

少年はショックだった。というのも、そのお客に渡したお釣りには、その日の稼ぎのすべてと、彼の貯金が含まれていたからだ。彼は、その日の売り上げで次の営業日のための商品を買い、残りを彼のルーツであるウクライナへの寄付にまわす予定だったと、各紙のインタビューで述べている。

「冬は雪かきをして、夏は芝刈りをして」一生懸命稼いだお金が、一瞬にして消えてしまったことは「とても悲しかった」と、語っている。

ただ、不幸中の幸いで、少年はその日、ユーチューブ用に自身がレモネードスタンドを営業している様子を録画していたため、詐欺をはたらいた犯人の姿をとらえていた。少年はその動画を持って地元の警察に被害届けを出した。

少年の話を聞いた地元警察は、フェイスブックに犯人の画像と被害の内容を投稿し、「ジェレミーに正義を! 犯人探しにご協力ください」と地域の住民たちに呼びかけた。

すると、このニュースは地元ですぐに広がり、少年の家の近くに住んでいるある女性が、クラウドファンディング・サイト「GoFundMe」で、ジェレミーのための寄付金集めを開始した。

米紙「ワシントン・ポスト」によれば、目標は250ドル(約3万3000円)だったが、1週間もたたないうちに、約1100人から約2万5000ドル(約330万円)もの寄付が集まったという。

この資金をもとに現在、少年は再びレモネードスタンドを行っているが、「20ドル以上の大きな紙幣は受け取らない」という新たなルールを設けたそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/45f67560a877b62e7a356af00c5169c09f73466c

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