ロシアの囚人人権擁護団体によれば、実際のところ今では、同国の犯罪者収監施設は、ウクライナで活動するワグネルの主要な人材確保の場になっている。
これら団体によると、ソ連時代に囚人となった経験を持つ前出ワグネルのオーナー、プリゴジン氏は、襟に「ロシアのヒーロー」の星型記章付けた姿で自ら収監施設を巡り、収監者らに対し、戦場に行くことと引き換えに自由と収入を与えると約束している。

ワグネルの幹部で、同じく「ロシアの英雄」記章を与えられているアンドレイ・ボガトフ氏は今月、ワグネルは「元軍人でも、元囚人でも区別なく」メンバーの命を大切にしている」と述べ、囚人を採用していることを確認した。

プリゴジン氏は、質問への書面回答で、刑務所を訪問しているだけでなく、彼自身が10年間囚人として過ごしていたことを明かした。

囚人の人権擁護団体「ロシア・ビハインド・バーズ」の責任者であるオルガ・ロマノワ氏によれば、ロシア各地の収監施設でワグネルは囚人たちに対し、ウクライナでの作戦に6カ月間従事すれば、免罪されると伝えているという。
ロシアの法律では、このような措置が認められていないにもかかわらずだ。

ロマノワ氏は「こうした状況は、法律の範囲を完全に逸脱している」と語った。ワグネルに採用される囚人の中で、兵士としての経験を持つ者はほとんどいない。
一般的に言って、10代の頃から刑務所を出たり入ったりしていた者が多いからだ。
ロマノワ氏は、ワグネルがこうした囚人らを先月から前線に送り出し始めたため、彼らのうち200人前後がすでにウクライナで死亡していると付言した。「彼らは単なる使い捨て要員だ」
https://jp.wsj.com/articles/wagner-mercenaries-enter-the-spotlight-as-russian-troops-struggle-in-ukraine-11660881130