https://www.worldtimes.co.jp/opinipn/mediawatch/20220827-164522/
「旧統一教会」バッシング 安倍氏も「加害者」にする“報道テロ”

信徒に自殺未遂者出る
この論考を書いている26日に気が付いたのだが、安倍晋三元総理銃撃事件に端を発して巻き起こったメディアによるバッシングの渦中にある世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下教団)が25日、報道機関向けに「異常な過熱報道に対する注意喚起(2)」と題するプレスリリースを出した。

その中で、「当法人信徒(20代後半・女性)による自殺未遂事件」が起こったことを明らかにした。教団は21日にもテレビ、新聞、週刊誌などで続く教団とその友好団体に対する批判報道は、憲法で保障された「信教の自由」を無視した「魔女狩り的なバッシング行為」で名誉毀損(きそん)に当たるとともに、信者と関係者に対する人権侵害だとする注意喚起のプレスリリースを出していた。

それでも収まらぬ過剰な批判報道が自殺未遂者を出すまでに至ったことを知ると、単なるバッシングを超え“報道テロ”の次元に達したように思える。この論考はこれ以上の悲劇が起きないことを祈りながら書いている。

メディアによる教団批判キャンペーンに、筆者は二つの点で、強い憤りを感じてきた。一つは、安倍氏銃撃の真相究明から国民の目をそらすことになるだけでなく、教団に恨みがあったと供述していると報じられた山上徹也容疑者のテロ正当化につながるという点だ。

もう一つは、教団が指摘するように、信者の内心を踏みにじる人権侵害である。これは、メディアに関わる人間の側に信仰についての無知があるのかもしれないが、日ごろ、弱者に寄り添う姿勢の重要性を説きながら、安倍氏銃撃事件にまったく関わりのない信者の人権を無視しているのだから、このダブル・スタンダード(二重基準)は悪質である。