中学生に展示作品壊され着想、新作に 「物の散乱、ある種の美しさ」(朝日新聞デジタル)
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新潟県十日町市の「越後妻有里山現代美術館MonET(モネ)」で、展示作品を修学旅行の中学生に壊された美術家クワクボリョウタさんが、新作「エントロピア」を制作した。バラバラになった元の作品の様子に着想を得たといい、同館の同じスペースに展示されている。

元の作品「LOST#6(ロストシックス)」は4月、修学旅行で来館していた中学3年の複数の生徒に壊された。その片づけをしながらクワクボさんは「物が散乱する様子にはある種の美しさがある」と感じ、エントロピアの制作を申し出たという。同館などで開催中の「大地の芸術祭」で総合ディレクターを務める北川フラムさんが、ホームページで公開しているコラムで経緯を明かした。

エントロピアは、床に乱雑に置かれた鏡の破片が天井からの光を反射し、壁に秩序だったモザイク模様を映し出す作品。展示は9月4日までで、同8日からは修復を終えたロストシックスの再展示が始まる。

クワクボさんは6月、自身のツイッターで、「この事件が彼らや彼らのコミュニティ、そして芸術を愛する人々に悪い爪痕を残さないよう、最善を尽くしたいと思います」としていた。(白石和之)