【キーウ=梁田真樹子】ウクライナ軍は29日、ロシア軍が制圧を宣言するヘルソン州など南部で、多方面にわたる攻撃を始めたと発表した。
奪還に向けた本格的な動きとの見方が出ている。
一方の露軍側は「敵の攻撃は失敗した」と主張している。

ウクライナ軍南部方面の報道官は南部の情勢に関し、「かなり緊迫しているが、ウクライナ軍が支配している」と述べた。
露軍は攻撃を仕掛けてきていないという。
ウクライナ軍はまた、ヘルソン州の州都ヘルソンに通じる主要な橋をほぼ全て破壊し、露軍の補給路を遮断した。米CNNによると、ウクライナ軍はヘルソン周辺の四つの村を奪還。
軍関係者が「我々の目標はヘルソンだ」と語ったという。

一方、露国防省は、ウクライナ軍がヘルソンや南部ミコライウ州の州都ミコライウ近郊などで攻撃を開始したことを認めた上で、「攻撃の試みは完全に裏目に出た。
ウクライナ軍に多数の犠牲者が出た」と説明した。
ウクライナ軍は兵士560人、戦車26台などを失ったという。

ミコライウ市長によると、露軍は29日、同市をミサイルで攻撃し、2人が死亡、24人が負傷した。

露軍が占拠する南部ザポリージャ原子力発電所を巡っては、国際原子力機関(IAEA)の調査団が29日に首都キーウに到着したとみられる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、31日から9月3日まで調査を行う予定という。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e6182ac5b48abb0203847b1901262de786004e0c