外界との接触絶ち約26年……先住民部族最後の生き残り男性が死亡 ブラジル


 ブラジルで外界と接触を絶っていた先住民部族の最後の1人が死亡した。ブラジルの国立先住民保護財団(FUNAI)が28日、発表した。

 死亡した先住民の男性は、ブラジル北西部ロンドニア州にあるタナル先住民地区で約26年間、1人で暮らしていた。今月23日、小屋の前のハンモックで死亡しているのが発見された。暴力を受けた形跡はなく、自然死と見られている。推定60歳だった。

 男性の名前は不明で、複数の深い穴を掘っていたことから、「穴の男」などと呼ばれていた。穴には、動物の捕獲用のものもあれば、身を隠すためとみられるものもあった。

 男性の部族のほとんどは1970年代に、牧草地を拡大しようとする違法伐採業者らに殺害された様子。1995年に同じ部族の6人が違法採掘業者に殺害されたため、この男性が部族唯一の生存者となった。

 ブラジルの国立先住民保護財団(FUNAI)が、男性の存在に初めて気づいたのは1996年。それ以降、男性の安全確保のため周辺地区を定期的にパトロールしていた。
https://www.bbc.com/japanese/62710641