「"死にたい"と言える人は自殺しない」は間違い…死を選んでしまう人たちの"本当の共通点"

 私が取材をした中で亡くなった約40人の共通点をあげてみる。

 自殺未遂(自傷行為を除く)を3回以上繰り返していたのは8割。この中で10回以上繰り返した人は2割いた。
さらに言えば、30回以上、繰り返した人もひとりいた。常に「死にたい」と言っていた人も9割いた。

 「『死にたい』と言っている人は、実際には死なない」というのは迷信だと言われている。
少なくとも、取材経験から考えても、迷信だと断言できる。

 「死にたい」「さよなら」「もう死にます」というメールやLINEが届く。また、ツイッターなどのSNSでつぶやく人もいる。
そうした後に、自殺のリスクが高い行動を取ったり、実際に亡くなってしまう人もいた。
取材した中で、自殺で亡くなった人の半数は、死ぬ直前に、私を含む誰かに予告めいたメールやLINEを送っている。
深夜に自殺予告のメールが届いたことがあった。

 その女性は、それまでにも自殺をほのめかすことがあった。
朝起きて、メールを読むと、飲み合わせや量次第では亡くなってしまいかねない薬の名前が羅列してあった。
すぐに連絡を取ったが、返事がない。しばらくすると、その女性の知人から連絡があり、亡くなったことを知った。

 その女性がメールをしてきたときに、私に何かできたことはなかったかと思い悩み、知人の精神科医に連絡を取った。
そのメールが送られてきたときに薬を飲んだことを前提にしても、助かった可能性が低いほど、飲み合わせが悪いものだったと聞いた。
それでも、「メールに返信をしていれば」「すぐに電話していれば」と今でも思うことがある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5b189baf8a453bc2488c19f4fe7f2f2d421f246e