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社内でも煙たがられてる


TBS報道局のフロアに笑い声が響いたのは、一月二十七日午前のこと。その日、報道局員全員が閲覧可能な
社内メールに「かねひら」を名乗る人物からメッセージが一斉送信されていたのだ。

〈かねひらです。先日はごちそうさまでした。さて、別れ際に渡された評定書、前年度より下がった理由を
一文いただきたいと思います。収入減になるので〉

TBS報道局社員が声を潜めていう。「これは執行役員の金平茂紀氏が星野誠取締役報道局長に宛てたメールですが、
どうも、アドレスの最初の『hoshino』と『houdo』を間違えて送信したようです。しかも、内容は自分の給料が
下がったことへの恨み節。皆でメールを見て、『金平さん、恥ずかしすぎるよ』と、爆笑しました」

社会部出身の特ダネ記者だった金平氏は、「NEWS23」編集長、報道局長、アメリカ総局長などを歴任、一昨年
十月から「報道特集」のキャスターとして現場復帰した。

「金平さんクラスの年収は軽く二千万円を超えます。星野報道局長は年次では金平さんの後輩になるのですが、
いまの仕組みでは所属長の報道局長が金平さんの査定をすることになっています」(同前)

後輩の上司にグチめいたメールを送ったことがバレた金平氏だが、報道局長の方はなぜか株が上がったとか。
「『あの金平さんの年俸を下げるなんて、局長もやるじゃないか』と、社内の士気が妙に高まった。というのも、
金平さんは『ミスターニュース』という高評価がある一方で、煙たい存在でもあるんです。モスクワやワシントン
など海外生活が長いせいか、報道以外のワイドショーや情報番組を馬鹿にしているフシがある。キャスター転身の
話が出たときも『どこまでワガママを言えば気が済むのか』と、社内では非難囂々でした」(別の社員)

金平氏に取材を申し込んだところ、のっけから不機嫌そうな声でこう言われた。
「あれは操作ミスですよ。それ以上に何があるんですか。個人的な私信ですから。なぜ、私信のことについて
第三者に言わなくちゃいけないんですか。こっちは疲れて帰ってきているんだから!」
ミスターニュースも、不慣れなキャスター業で疲労困憊ってこと?