天引きミス5億4千万円、納付訴えるも5割弱が未徴収 山口・宇部市

山口県宇部市が事務処理を誤り、介護保険料など計5億4377万円について「年金からの天引き」という本来の徴収ができない問題が生じている。市は徴収対象の市民に8月末までの自主納付を依頼したが、納付額は約5割にとどまっている状況だ。市の担当者は「納付の周知と案内を続けていく」と話している。

 天引きによる徴収ができなくなったのは、介護保険料が計5億3921万円、後期高齢者医療保険料が計456万円。

 市は8月支給の年金から天引きするはずだったが、6月に介護保険料のシステム処理を誤り、徴収額を「0円」として、日本年金機構に伝えた。この影響で、後期高齢者医療保険料についても一部の対象者のデータが正しく反映されなかった。

 徴収ができなくなった市民は約4万9千人で、市は対象者全員に謝罪文と納付書を送り、金融機関などでの自主的な納付を依頼した。

 担当課によると、「締め切り」とした8月31日時点で納付を確認できたのは、介護保険料が計2億7851万円(2万5217人)、後期高齢者医療保険料は計241万円(251人)だった。徴収するべき額の5割余にとどまっており、市の広報紙やウェブサイトで納付の呼びかけを続けていく。

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