男性と同じ部族の人々は、1970年代以降、入植者や牧場経営者が雇った武装集団に襲われ、命を奪われてきた。1995年に仲間6人が殺された時、穴の民だけが生き残ったと考えられている。

それから30年近く、男性は外部との接触を拒み、一人で生きてきた。

先住民族の権利保護活動に携わるNPO「サバイバル・インターナショナル」のフィオナ・ワトソン氏は、2004年に男性の土地を訪れた際に「穴の民は外部との接触を強く拒絶し、侵入者には警告として矢を投げる」と説明している。