東京・葛飾区を南北に走る貨物列車専用の「新金線」の「旅客化」を図り、地域の利便性を向上させようと、葛飾区や鉄道事業者などによる会議の初会合が開かれました。

葛飾区は、JR常磐線や総武線など区内を東西に結ぶ鉄道は整備されている一方で、南北を結ぶ公共交通機関はバスに限られています。
このため、区では利便性を向上させようと新小岩と金町を南北に結ぶJRの貨物列車専用の路線「新金線」に、客を乗せた電車を走らせる「旅客化」を目指してきました。

31日は、JR貨物や国土交通省、東京都など関係者が集まって初めての会議が開かれ、葛飾区の青木克徳区長が「新金線の旅客化は長年の悲願とも言えるので、早期の実現に向けて取り組みたい」とあいさつしました。
会議は冒頭を除き非公開で行われ、区によりますと会議では運行方法や費用面、それに駅や車両基地といった施設整備などについて検討を進めていくことを確認したということです。

葛飾区は、2030年には一部区間の旅客化を実現したいとしています。
「新金線」は、葛飾区の新小岩と金町の間を結ぶおよそ7キロのJRの貨物専用の路線です。
区によりますと、葛飾区を南北に結ぶこの路線は、大正15年に建設され、東京の臨海部と千葉方面の間の物資輸送で重要な役割を担ってきたということです。

しかし鉄道網の発展に伴って、別のルートを経由する貨物列車が多くなったため、運行本数が大幅に減少し、現在は一日数本程度しか走っていないということです。
区ではこの路線を生かし、地域住民の利便性の向上を図ろうと、5年前から、「新金線」の旅客化に向けて、運行方法や採算性、周辺の交通影響などについて調査を行い、本格的な検討を進めてきました。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220831/1000084245.html