自治会役員から「障害者」と書かされた翌日に自あぼーん、因果関係認めず…大阪高裁「尊厳の侵害」指摘

 大阪市営住宅に住む知的・精神障害がある男性(当時36歳)が自あぼーんしたのは、自治会役員から障害者だと文書に書くよう強要されたのが原因だとして、男性の遺族が自治会と当時の役員ら2人に2500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は2日、自治会側に44万円の支払いを命じた今年3月の1審・大阪地裁判決を支持し、遺族の控訴を棄却した。

 判決によると、市営住宅で一人で暮らしていた男性は2019年11月、障害を理由に持ち回りの班長ができないと役員に伝えた。後日の役員らとの話し合いで「しょうがいかあります(原文ママ)」「おかねのけいさんはできません」などと書かされた。翌日、自室で自あぼーんした。

 牧賢二裁判長は、1審と同じく、障害の有無や日常生活で不得意なことを書かせたのは「プライバシーや個人の尊厳の侵害にあたる」と指摘。一方で、他の要因が影響した可能性もあるとして、自あぼーんとの因果関係は認めなかった。
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