転居や居住者情報など郵便局の顧客データを活用した日本郵政の新事業に向けて、
総務省がデータの活用範囲の留意点などを示す個人情報保護のガイドラインを来夏までに見直すことが11日、分かった。
デジタル庁など関係省庁や個人情報保護の有識者が参加する専門会議を新たに設置し15日から議論を開始する。

郵政グループは、郵便物の配達時の状況からリアルタイムの居住者情報や自動車の保有状況、
商店の開店・閉店情報などを把握している。今後、居住者情報を災害が発生した自治体に提供することで安否確認に
利用してもらうことや、自動車保有状況などをデータベース化して自動車販売の営業に利用してもらうなどの新規事業が想定される。

しかし、こうした個人情報は「どこまで郵政グループ以外で使っていいデータなのかなどをしっかり線引する必要がある」
(総務省幹部)。このため、総務省は関係省庁と専門家による有識者会議を設置。
データ活用が、郵便法で義務付けられた「信書の秘密」を侵害する恐れや、来年4月に施行される改正個人情報保護法に
抵触する可能性がないかなどを検証し、来年7月までに既存の「郵便事業分野における個人情報保護に関するガイドライン」を改正するほか、
データ活用の新規事業の具体的な方向性を示すロードマップを作成する方針だ。

日本郵政は5月に発表した中期経営計画で、グループ内の顧客情報を一元管理するデータ基盤を整備する方針を公表していた。
https://www.sankei.com/article/20211011-TH33QPYZPNNGXJFNYDMTEI52NU/